昨日、市内を案内してくれたロアンが、明日買い物に行くのなら、チャトチャックマーケットがおすすめだよとの事だったので、そのマーケットに行ってみる事にした。
午前中にホテルを出て、電車に乗ると土曜日だからか、そのマーケットがある為なのか、車内はとても混んでいた。
それでも東京の満員電車程のぎゅうぎゅうさはなく、適度に互いの距離は保っていて、乗れそうでなければ、無理して次の人が乗る事はあまりないようだった。
タイの電車の窓の数は少なくて、あってもスモークで日射しが入らないようになっている。
そしてエアコンがガンガンに効いているので、長く乗っていると身体が冷えてきて、寒い。
デパートなど、室内は同じように寒いくらいにエアコンが効いていて、屋外は、35度くらいだったりするので、その寒暖の差が非常に激しい。
やはりチャトチャックマーケットの最寄り駅で、沢山の人が降りて、皆一様にマーケットに向かって歩いていく。
観光客も多いが、地元の人の方が多い位だ。
老若男女、家族連れやカップルや若者の集団など、地元の遊び場になっているようだった。
お昼前だったが、マーケット周辺の道沿いに連なる屋台で昼食にする事にした。
英語のメニューもあったので、分かりやすい。
地元の人も食べているようだったから、観光客向けだけとも限らなそうだった。
観光客だけが行くような所より、地元の人が行く所の方が、美味しいと思う。
タイ料理は大好物なので、毎食何を食べるかが、とても楽しみだ。
この時は、麺料理を食べた。案の定、美味しかった。
パパイヤをデザートに食べて、いざマーケットへ足を向ける。
非常に大きな規模で、東京のアメ横のような雰囲気がある。
大きなバラック小屋のような中に、小さなお店がひしめき合い、沢山の人が行き交っている。
衣料品から、日用雑貨、アクセサリー、アンティーク、本、食料品、飲食店、ギャラリー、靴、などなど、ある程度店の種類で区画分けされて、様々なお店があった。
ギャラリーのような区画には、写実画から抽象画、イラストや、彫刻や立体作品などが並べられていた。
始めのうちにお土産に欲しい物も買えたので、しばらくマーケット内を見て回る。
ココナッツアイスが美味しそうだったので、食べてみると、とても美味しかった。
冷たいものは、暑い時に殊更に美味しい。
タイにいると食べてばかりいる。
この食べ過ぎが、日本人がよくお腹を下す一要因でもあるらしい。
マーケットも大体ぐるりと見たので、他に行く事にした。
ただ、何のプランもない。
まだ2時になっていない時間だ。
ガイドブックを眺めていると、ナショナルギャラリーがあるので、とりあえずそこへ向かう事にした。
ただ地図を見ても駅が近くにない。
ひとまず一番近そうな駅へ行ってみる事にする。
バンコクにはチャオプラヤー川という大きな川があって、どうやらその川の船に乗って美術館の近くまで行く事も出来そうだ。
駅から港まで歩こうかとも考えたが、結構遠い。
面倒なので、駅の近くで客待ちをしているトゥクトゥクのドライバーに聞き、港まで連れて行ってもらう事にした。
自分が行こうとしていた港からは、美術館近くの港に行く船はないらしい。
トゥクトゥクは値段交渉をして多少値切った。
バンコクでは、安いものは安いし、高いものは、日本と変わらない。
日本よりも高く感じる物もある。
色んなものの振り幅の大きな街だと思う。
港まで着き、ドライバーがそこから乗れると言ったものの、タイ語とタイ人だけで、さっぱり分からない。
地図に指差して、港にいた受付らしきおばちゃんに聞いたら、あっちだと桟橋を指差した。
日本と同様、大概、英語は通じない事が多いから、指差しとジェスチャーが頼りになる。
よく分からないけど、その桟橋で待ち、来た船に乗ろうとしたら、船の人からダメだという、ジェスチャーで、その場にいた今度は違うおばちゃんが、笑って遠くの桟橋を指差した。
あっちの桟橋の事?と思って、歩いて行こうとしたが、歩けるような道はない。
仕方ないからさっきの桟橋にまた戻る。
とにかく人に聞こうと、今度は桟橋におじさんがいたので、聞こうとしたら、「日本人ですか?」と日本語で答えてくれた。
そうです。日本人です。
時折、分からない発音があったけど、詳しく教えてくれて、船に乗るまで教えてくれた。
タイの人は往々にして優しく親切な人が多い。
ただおじさんの言っていた、「船のお金は、トゥーごバーツです。」というのがどうしても分からなくて、to 5 っていう事なのか、2 ツー 5って事なのか、何度も聞き返した。
そしたら、おじさんからは、違いますよ! と言い返されてしまい、とにかくトゥーご バーツ なのねと、納得するしかなかった。
船に乗って、船内の受付係に支払った時にやっと15バーツという事が分かった。
一律15バーツ、日本円で50円位だった。
地元の人の足のようだけど、外国人観光客も沢山乗っていた。
バックパッカーが集まる街、カオサン通りにも行けるからだろう。
あとチャオプラヤー川沿いの観光名所にも行く事が出来る。
船に乗りながら、ワットアルンや幾つかの寺院などを眺める事が出来たので、クルージングのような気分が15バーツで体験出来た。
なんだかんだと美術館に行くまでに、時間がかかり、閉館時間も過ぎていたので、カオサン通りまで行って、そこからホテルまで帰る事にした。
さて、今度はどうやって帰ろう。
カオサン通りからも近くに駅はない。
20年前学生の時に、バンコクに来た事があって、カオサン通りのゲストハウスに泊まった事があるが、どうやって来たのかさっぱり覚えていない。
小さな川があって、そこからまた中心市内へも行けそうな気もする。
歩いて行くとリバークルーズとかいう看板がある。
そこへ行くと西洋人の家族が、船を待っていた。
看板にクルージングの案内もある。
観光向けの船だ。
中心市内まで行けるようだけど、ちょっと高そうな気もする。
しばらくしてクルージングの船が来た。
船に200バーツと書いてある。
船頭さんに、確認すると200バーツだと言うから、やめておく事にする。
街中のコーヒー屋さんで少し休んで、タクシーで最寄りの駅まで行って帰る事にした。
タクシーに乗りながら、さっきの小さな川沿いを眺めると、その川も風情がありそうだったこら、あのままクルージングで行くのもよかったのかもしれないと思った。
さっきのチャオプラヤー川の船が15バーツで、観光船は200バーツ、金銭感覚がよく分からなくなる。
タクシーも、ちゃんとメーターで行ってくれたので、約60バーツと安かった。
着いた駅は、ファランポーン駅。
駅舎を見て、懐かしさが蘇って来た。
20年前に、ここに来た覚えがある。
ほとんど変わっていない、昔からある大きな駅だ。
東京でいう、東京駅や上野駅のような所で、ここから、タイ各地へ行く鉄道が出ている。
懐かしくて、とても嬉しくなった。
当時は、まだ地下鉄も最新の高架鉄道もなかったと思う。
昔ながらの風情のある駅舎が変わっていなくて、とてもよかった。
今ではファランポーン駅からは、地下鉄もあり、その地下鉄でホテルのある駅まで帰った。
2日だったけど、バンコクを満喫出来た。
明日、大学でのワークショップのスタッフが迎えに来てくれて、大学最寄りのホテルまで連れて行ってくれる事になっている。